デバイスなしにワイヤードにアクセスする一歩手前は,完全なワイヤレスを実現すること。それは,繋がることを意識せずに,繋がること。
ルーセント・テクノロジー社は「オリノコ」高速無線インターネットアクセス/ネットワークシステムを発表する。これは企業LAN向けの「ウェーブLAN」を基とし,家庭や学校,空港などの公共スペースで,安全かつ高速にネットワークアクセスできるもの。IEEE 802.11準拠のためアップル社のエアマックなどとも互換性がある。
携帯電話工業会によるセビット見本市が行われていることもあってか,ワイヤレスに関するニュースがゾクゾクと流れている。ひとつは携帯電話に,インターネットベースのサービスを追加するもの。MS(CNET Japanの記事)とAOL(ZDNet Newsの記事)の争いは熾烈を極めている。そしてもうひとつが,今までワイヤーで繋がれていたパソコンを解き放つ,という動き。
ルーセントのオリノコは,どこでもオリノコの機器があるところなら,なにもせずにネットワークへのアクセスが可能となる。エリクソン社のLinux OSを積んだ「スクリーンフェン」は,家庭の中心に置かれることを目指したワイヤレスデバイス(CNET Japanの記事)。日本では,NTTコミュニケーションズが無線アクセスの開始を発表した。近い将来は一般ユーザーの手の届く値段になるだろう(日経コミュニケーションの記事)。なににも繋がらず,繋がることができるのは,意識の開放を意味する。ワイヤードにいることが,特別なことでなくなることの一歩となる。繋がっていることが,普通であること,そんな日が来るのは,もうすぐだ。(関連過去記事99/7/23)
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